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平成24年度 (第63回) 電気・情報関連学会中国支部連合大会

部門: セッション 1204  19. 情報数理-(3)
日時: 2012年10月20日(土) 15:30 - 16:48
部屋: 教養棟2号館 601室 (→地図)
座長: 北村 俊明 (広島市立大学)

19-13 (時間: 15:30 - 15:43)
題名共通鍵ブロック暗号HIGHTのラウンド関数の情報理論的特徴
著者*玉澤 俊, 大倉 良昭 (徳島文理大学)
Pagep. 314
Keyword暗号危たい化, ISO標準共通鍵暗号, 64ビットブロック暗号, 暗号アルゴリズム, エントロピー
AbstractISO標準64ビットブロック暗号HIGHTアルゴリズムのラウンド関数の情報理論的な特徴について調査した。ラウンド関数をソフトウェアで実現し、平文のエントロピーと暗号文のエントロピーを比較検討した。HIGHTのラウンド関数の情報理論的特性は平文のエントロピーが小さい場合は拡大鍵に大きく依存していることが示唆される。

19-14 (時間: 15:43 - 15:56)
題名2重非心F分布のパーセント点算出法について
著者*一本嶋 瞳, 金川 明弘 (岡山県立大学情報工学部情報通信工学科)
Pagepp. 315 - 316
Keyword2重非心F分布, パーセント点, モンテカルロ法, SN比
Abstract2重非心F分布とは,独立な二つの非心カイ2乗変数の商の分布であり,分散分析におけるF検定の検出力を求めるときなどに用いられる。この分布の密度関数は複雑な式で与えられ,数値積分も困難なことから,そのパーセント点を知る方法として多くの近似法が研究された。鳥越は,この乱数を多数発生させ,指定のパーセント点を満たす点を求め,その10回の平均をもって“真値”とした。さらに堀井らは,この回数を1万回とすることにより,さらに精度を高めた。本論文では,2重非心F分布のパーセント点をモンテカルロ法で求めるにあたり, C言語で構築する。その結果,計算のプロセスに介入し高速化を指向する工夫をとりいれる方法を提案する。

19-15 (時間: 15:56 - 16:09)
題名スペクトル拡散型電子透かしにおける焼きなまし法のスケジューリング
著者*寺西 直緒, 川村 正樹 (山口大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 317 - 318
Keywordスペクトル拡散型電子透かし, 確率的復号, 温度, 焼きなまし法
Abstract電子透かしとは,画像や音楽などのデジタルコンテンツに特定の情報を埋め込む技術である.スペクトル拡散型電子透かしにおいて,これまでに,ベイズ推定に基づく準最適な復号アルゴリズムである確率的マルチ復号法が提案されている.この手法は状態遷移に関与する温度パラメータの扱いが問題になる従来法では,温度固定で復号していた.本研究では,温度固定復号に対し,初期は高温で始めて絶対零度まで冷却する従来型SAや,最適温度で冷却を止めてそれ以後はその温度を維持するように修正した下限有SAを検討した.計算機シミュレーションの結果,下限有SAは,温度誤差にも強く,これらの手法の中で最も良い復号性能を示した.

19-16 (時間: 16:09 - 16:22)
題名不均一なノード配置上でのGenerationsセルオートマトン規則
著者*河田 恒幸, 森田 憲一, 岩本 宙造, 今井 克暢 (広島大学大学院工学研究科)
Pagepp. 319 - 320
Keywordセルオートマトン, 無線センサーネットワーク
Abstract空間を分割したセルと単純な遷移規則からなる離散的な計算モデルであるセルオートマトンの研究において、現実世界へのセルオートマトンアルゴリズム応用のため、無線センサーネットワークへの適用可能性に着目し、不均一なノード配置上でのGenerationsセルオートマトン規則の挙動を調べた。 均一な格子状配置から幾分かの変位を与えた不均一なノード配置上では、通常のセルオートマトンで現れる移動型のパターンは消滅してしまったが、遷移規則の寿命と近傍範囲のパラメータを拡張することで、不均一なノード配置上でも消滅することなく安定して伝搬する波状のパターンを発見した。

19-17 (時間: 16:22 - 16:35)
題名2 状態3 記号可逆論理素子による可逆順序機械の構成法
著者*陶山 嶺, 荻路 剛, 森田 憲一, 岩本 宙造, 今井 克暢 (広島大学大学院工学研究科情報工学専攻)
Pagepp. 321 - 322
Keyword可逆論理素子, 順序機械, 可逆コンピューティング, ロータリー素子
Abstract可逆コンピューティングとは, 物理的な可逆性に相当する性質を持つ計算のパラダイムである. 可逆コンピューティングの理論的モデルとして, ここでは可逆順序機械を考え, これを2 状態の可逆論理素子によって構成する新しい方法を与える. 任意の可逆順序機械が単純な可逆論理素子によってどのようにして構成できるかは, 可逆的な計算機構を設計する際に重要になる問題である. 本稿ではまず4 記号可逆論理素子4-31 を用いた順序機械の構成法を示し, それをもとに3 記号可逆論理素子3-7 で任意の順序機械を構成する方法を示す. これにより, m 記号n 状態の可逆順序機械が3mn個の2 状態3 記号素子3-7 によって構成可能となる.

19-18 (時間: 16:35 - 16:48)
題名算術式を認識する可逆マルチヘッド有限オートマトン
著者*岡 佳史, 森田 憲一, 岩本 宙造, 今井 克暢 (広島大学大学院工学研究科)
Pagepp. 323 - 324
Keyword2方向可逆マルチヘッオートマトンド, 可逆計算機, 有限オートマトン, 算術式認識, 文脈自由言語
Abstract近年,計算機素子の微細化が進んでいるが, 現在の技術ではいずれ微細化の限界が訪れる. それを打開するアプローチ法の1つとして可逆計算機の研究が挙げられる.可逆計算機とは,各状態の一つ前の状態が一意に決まるような性質を持つ計算機のことで,物理的可逆性と密接な関係がある. 可逆計算機のモデルには様々な種類があり, その中に2方向可逆マルチヘッド有限オートマトン(two-way reversible multi-head finite automaton: RMFA)がある. 本稿では, 前置記法, 中置記法で記述された算術式を認識する2つのヘッドを持つRMFAの設計とそれに関する証明をおこなった.