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平成24年度 (第63回) 電気・情報関連学会中国支部連合大会

部門: セッション 1203  19. 情報数理-(2)
日時: 2012年10月20日(土) 14:00 - 15:18
部屋: 教養棟2号館 601室 (→地図)
座長: 内田 智之 (広島市立大学大学院)

19-7 (時間: 14:00 - 14:13)
題名2階の可逆セルオートマトンに関する一考察
著者*宮本 健太郎, 森田 憲一, 岩本 宙造, 今井 克暢 (広島大学大学院工学研究科)
Pagepp. 304 - 305
Keyword初等的セルオートマトン, 2階の可逆セルオートマトン
Abstract初等的セルオートマトン(ECA)は、セルと呼ばれる有限オートマトンを規則的に配列・セル属したシステムで、1次元セルオートマトン(CA)で最も単純なCAで合計256種類ある。Wolframはこれを4つのクラスに分類した。特にその中のクラス4には計算機能や、生命現象などの現実世界で見られる複雑な現象を引き起こす源と考えられている。 本稿では、このECAのセルの状態を変化させる局所関数に可逆性を持つようにした2階の可逆ECA(SORECA)について、ランダムな初期状相からどのように時間発展するかシミュレーション実験によって調べた。さらに、これらをWolframによる4つのクラスへ再分類を試みた。この結果、クラス2属するSORECAは少なく、多数がクラス3に属することが確認できた。

19-8 (時間: 14:13 - 14:26)
題名静止画の電子透かしシステムの高速化に関する研究
著者*藤井 勇紀 (岡山大学大学院自然科学研究科), 小倉 淳史 (岡山大学工学部), 日下 卓也 (岡山大学大学院自然科学研究科)
Pagep. 306
Keyword電子透かし, SSE, JPEG圧縮
Abstract近年, デジタルコンテンツの不正コピーが問題になっ ており,その対策として, 電子透かし技術が盛んに研究 されている.しかし,コンテンツに対して何らかの改ざ んが行われてしまうと,埋め込んだ透かし情報を正しく 取り出せない場合があり,その解決策として誤り訂正符 号を透かし情報として埋め込む方法がある.しかし,す べてのパターンの画像や透かし情報に対して,コンテン ツの改ざんによる透かし情報の変化を関連付けるには, 莫大な時間がかかってしまうため,その実験システムの 高速化が課題となっている. 本研究では,静止画の電子透かしに対する攻撃手法と して,JPEG 圧縮に注目し,この攻撃を用いた時の透か し情報の誤検出確率を求める高速な実験システムの開発 を行うこととする.

19-9 (時間: 14:26 - 14:39)
題名統計的検定法を用いた決定表からのルール導出法
著者*水野 祥太郎, 加藤 裕一 (島根大学), 佐伯 徹郎 (山口大学)
Pagepp. 307 - 308
Keywordラフ集合, データマイニング, 統計的検定法, LEM2
Abstractラフ集合理論は近似概念を導入して,決定表からif-thenルールという知識構造を推定・導出する手法として広く利用されている。我々は,従来のラフ集合理論によるルール導出手法を,シミュレーションデータに適用してルール推定能力を追試した結果,従来手法は推定精度に問題があり,更に決定表という標本に強く依存する手法であることを指摘する。本論文では,”決定表の背後にあるif-thenルールは標本分布に偏りを生じさせる”との観点から,標本を利用してこの偏りを統計的に検定する新たなルール導出法として提案する。また,シミュレーションデータに適用して本手法の正当性・有効性を確認すると共に,従来法と比較して推定ルールの精度に格段の優位性があることを示した。

19-10 (時間: 14:39 - 14:52)
題名期待値法における数値計算法の提案と中盤実験
著者*矢野 貴士, 小林 康幸 (島根大学大学院 総合理工学研究科)
Pagepp. 309 - 310
Keyword期待値法, ゲーム木探索
Abstract当研究室では、ゲーム木探索の手法として期待値法を提案した。 過去に提案した手法では、期待値は乱数を用いたモンテカルロ法で計算していた。また、期待値法の探索実験はこれまでにゲーム終盤でのみ行われていた。更に、葉ノードに与える評価値が限定されていた。 そこで本研究では、期待値を数値計算で計算した場合のモンテカルロ法との比較、中盤における探索実験、Zebraの評価値を利用した探索実験を行った。 これにより、モンテカルロ法が有利であること、中盤でも有効に働くこと、Zebraの評価値では有効に働くとは限らないことを得た。

19-11 (時間: 14:52 - 15:05)
題名最終的に非安全なマーキングに遷移する安全なマーキングに関する一考察
著者*村上 雄基, 山口 真悟 (山口大学大学院理工学研究科)
Pagep. 311
Keywordペトリネット, 安全性, ワークフローネット
Abstractペトリネットの重要な性質に安全性がある.初期 マーキングから可達なあるマーキングは,各プレース 内のトークン数が高々1 であれば安全であると言う. プレースはシステムのバッファやレジスタを表すこと がある.非安全なマーキングはバッファやレジスタが オーバーフローを起こしていることを意味する.オー バーフローが起こる前にシステムを停止することが望 ましい.そのためには最終的に非安全なマーキングに 遷移する安全なマーキングを検出することが必要であ る.本稿では,そのようなマーキングの集合を形式的 に定義し,その存在を決定する問題に取り組む.

19-12 (時間: 15:05 - 15:18)
題名Acyclic Well-Structured ワークフローネットの拡張に関する一考察
著者*呉 歓, 山口 真悟 (山口大学)
Pagepp. 312 - 313
Keywordペトリネット, ワークフロー, 拡張, 健全性, 検証
Abstract本稿では,Acyclic Well-Structured WFネットから別のAcyclic WF ネットに限定したあらゆる構造上の拡張(変更前のWF ネットは 変更後のWF ネットのサブネットになる)を対象にする.まず拡張後のWFネットのクラスを示す.そして,そのクラスによって拡張後のWFネットの健全性の判定方法を提案する.