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平成24年度 (第63回) 電気・情報関連学会中国支部連合大会

部門: セッション 0901  16. 計測-(1)
日時: 2012年10月20日(土) 9:00 - 10:18
部屋: 教養棟2号館 502室 (→地図)
座長: 堺 健司 (岡山大学)

16-1 (時間: 9:00 - 9:13)
題名主成分回帰を用いた汽水域有機・無機懸濁物質及びChl-a推定
著者*岡本 航, 古津 年章, 下舞 豊志 (島根大学大学院総合理工学研究科)
Pagepp. 209 - 210
Keywordリモートセンシング, 汽水域, SS, Chl-a, PCR
Abstract時空間的変動の激しい汽水域ではリモートセンシング技術を用いた環境モニタリングが有用である.汽水域の水環境を深く理解するためには濁りの元となる懸濁物質(以下SS)を構成する有機懸濁物質(以下OSS)と無機懸濁物質(以下ISS)や植物プランクトン中の葉緑素であるクロロフィルa(以下Chk-a)の推定が重要である.本研究ではこれまで例のなかったOSS,ISS及びChl-aを主成分回帰(以下PCR)を用いて使用する波長をIterative Stepwise Elimiination(以下ISE)を用いて削減しながら高精度なOSS,ISS,Chl-a推定手法を提案した.

16-2 (時間: 9:13 - 9:26)
題名衛星搭載合成開口降雨レーダ(PSAR)の性能に及ぼす雨滴落下の影響
著者*佐々木 達郎, 古津 年章, 下舞 豊志 (島根大学大学院総合理工学研究科)
Pagepp. 211 - 212
KeywordPSAR, ビームシフト, ビームのにじみ
Abstract地球規模での気候変動を解明するには,人工衛星等を使い長期に渡って降雨観測を行うことが重要である.しかしながら,衛星搭載降雨レーダ観測における大きな課題として,衛星に搭載可能なアンテナサイズの制限により空間分解能が不十分であり,対流性降雨などの局所的降雨の詳細観測が出来ないという問題がある.そこで,PSARが提案され,これにより衛星進行方向分解能の問題は改善される可能性があることがわかった. しかし,ターゲットである降雨の落下によりドップラー効果の影響を受けてしまい,合成開口処理を行うとフォーカスする位置が衛星進行方向に多少ずれる問題がある.また,このずれは雨滴の大きさに依存するため,雨を局所的に見た場合,雨滴が大きいものほどその影響を受けやすい.したがって,ビームシフトとビームの「にじみ」が同時に起きる.そこで,本研究ではディスドロメータから得られる雨滴粒径分布(DSD)を用いて,雨滴の落下により起こるビームシフト,ビームのにじみのレーダ性能への影響についての評価を行う.

16-3 (時間: 9:26 - 9:39)
題名MRR観測により得られた融解層の等価レーダ反射因子特性とブライトバンドモデルとの比較
著者*稲田 一輝, 下舞 豊志, 古津 年章 (島根大学大学院総合理工学研究科)
Pagepp. 213 - 214
Keywordリモートセンシング, MRR, ブライトバンド, 雨滴粒径分布, 等価レーダ反射因子
Abstract降雨レーダによる降水観測は,雲物理学研究の発展や,降水過程理解に重要である.降雨レーダによる鉛直プロファイル観測では,上空の0℃付近の層(ブライトバンド)に存在する雨滴から,強いエコーが受信されることがある.エコーの強さを表す等価レーダ反射因子から降水強度や減衰係数などの降雨パラメータを算出する際に,降雨を過大評価することがあるため,ブライトバンドの適切なモデル化が必要である.そこで,島根大学内に設置した小型降雨観測レーダMRRの観測データを用いて,N/Nモデル,M-Nモデルと呼ばれる二つのブライトバンドモデルによる計算を行い,実測値と比較,検討することにより,これらのモデルが妥当であるのかどうかを検討する.

16-4 (時間: 9:39 - 9:52)
題名MUレーダ観測にガンマモデルを用いて推定した雨滴粒径分布とMRRデータとの比較
著者*北川 貴庸, 下舞 豊志, 古津 年章 (島根大学大学院総合理工学研究科)
Pagepp. 215 - 216
KeywordMUレーダ, MRR, DSD, リモートセンシング
Abstract本研究では,MUレーダより得られた降雨観測データを用いて,DSD推定を行い,その精度について検討を行う.精度検討のため,小型降雨観測レーダMRRにより観測されたDSDと比較することにより,MUレーダ観測から推定されたDSDの推定精度について検討する.そして,本研究では1周波法の手法を用いて,MUレーダ観測からDSDを推定しているが,現在の研究ではよりDSD推定の精度向上を目指すため,大気スペクトルをMUレーダ,降雨スペクトルを別のレーダで観測して,降雨スペクトルに対するフィッティングの精度を向上させることで,DSD推定の精度向上を目指す.

16-5 (時間: 9:52 - 10:05)
題名2周波大気レーダによるインドネシア・スマトラ域の雨滴粒径分布推定:SCC通過時の特性変化
著者*浅越 章宏, 古津 年章, 下舞 豊志 (島根大学大学院総合理工学研究科)
Pagepp. 217 - 218
Keywordリモートセンシング, 雨滴粒径分布, インドネシア, 降雨
Abstract降雨レーダにおいて降雨強度の推定は,気象学や水文学で重要である。しかし,直接観測することはできないため,降雨レーダから直接測定できるレーダ反射因子から降雨強度を推定する。このときに推定精度に雨滴粒径分布(DSD)が影響してくるため, DSDの推定が重要になる。 観測データを用いたインドネシアは大気循環や積雲対流活動が地球上で最も活発な地域であり、地球規模の気候・気象変動の解明に繋がる重要な地域と言える。今回,我々が開発した推定手法である2周波法を用いることで従来より高精度のDSDの高度プロファイルの推定が可能となった。この2周波法からSCCの通過に伴ったDSDやDSDパラメータの変化を示す。

16-6 (時間: 10:05 - 10:18)
題名熱帯降雨観測衛星降雨レーダで観測された全球の降雨強度ヒストグラムの解析
著者*岡本 謙一 (鳥取環境大学/環境学部環境学科), 大倉 幸恵 (鳥取環境大学/環境政策学科), 木田 智史 (宇宙航空研究開発機構/地球観測研究センター)
Pagepp. 219 - 220
Keyword降雨強度, 大雨, 熱帯降雨観測衛星, 降雨レーダ, ヒストグラム
Abstract地球温暖化が進行している中で、IPCC第4次報告書は、1950年以降多くの陸域では大雨の頻度が増えている可能性が高いと報告している。また、気象庁の観測結果でも同様の増加傾向が報告されている。そこで地球的規模において強雨の回数が毎年増加していないかどうかを調べるために熱帯降雨観測衛星降雨レーダで観測された降雨強度のヒストグラムデータの解析を行った。2002年から2010年までの9年間の累積降雨観測個数は、レーダ反射因子Zが 44 dBZ以上(Rが20.5 mm/h以上)から56 dBZ以上(Rが115 mm/h以上)の範囲においては、2003年から2008年にかけて減少し2008年は極小値を取るが、2009年、2010年と反転して増加する傾向が見られる。また、58dBZ以上(Rが154 mm/h以上)から62 dBZ以上(Rが273 mm/h以上)の範囲では累積降雨観測個数は増加傾向にある。